2011年9月21日水曜日

vol . 102 キクにまつわる物語

黄色のキク。花言葉は「おぼろげな思い出」だそうです。

2011.9.20 キク

菊は平安時代に唐から伝わってきた花。長い歴史と人気があります。だからちょっと調べるだけで、エピソードがわんさと出てきます。その中で印象に残ったのを一つ、はしょって紹介します。はしょってますからツッコミ所が多数あります、ご容赦下さい。

『御伽草子(おとぎぞうし)』という古典があります。浦島太郎、一寸法師の話等が収められている昔話集に、こんな話があるそうで・・・

源中納言の姫君は、美人で優しくてお花が大好き。家では四季折々の花が咲き乱れ、特に菊がお気に入り。
14歳の秋、菊を眺めていた時にまどろんでウトウト・・・

すると目の前に若い貴公子。
貴公子は「露ほどのお情けでも構いません、かけて下さい」と、姫に言いました。
二人は結ばれました。夜が明けると、貴公子は菊の咲き乱れる中に消えました。

何日か過ぎて、中納言は帝(みかど)よりこんな命を受けました。
「朝廷で菊の花くらべを行う。よって中納言、菊の花を奉るように」

命を受けた日の夕暮れ、例の貴公子が落ち込んだ様子で姫の前に現われました。そして、
「もう、会えません」そう言って、髪を切って姫に渡しました。
「思い出す時は、これを見て下さい。また、胎内に嬰児(みどりご)を残しましたから形見として育てて下さい」
そう言って消えました。

貴公子は『菊の精』でした。花くらべの為に刈り取られることを察知し、姫にお別れを言いに来たのでした。

姫は女の子を産みました。女の子は、それはそれは美しく成長し、やがて帝の后「女御」となりました。めでたし、めでたし、でもちょっと悲しい。

今、このブログを読んでる貴女(あなた)・・・昨夜、見知らぬイケメンと仲良しになる夢を見ませんでしたか?
彼はもしかすると、貴女が最近きれい・かわいいと思った花-その『花の精』だったのかもしれません。

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